藤納戸を揺らす風

kihada2005-12-01

師走でごわす。
手帳に書き込むの楽しいです。三日坊主にならないようにしよう。


映画、『春の雪』を観てきました。
何か三島由紀夫って感じです。読んだことないけど。あの時代の小説家の、内側にあるドロドロとしたものが映画に出ていたような感じです。


どうもこの頃ね、映画を観ても素直に観れないというか、物語の構造とかカメラワークとか観て、物語には深く入り込めないのです。この映画も、人物が写っているシーンはほぼ毎回背景が強くぼけてるなーという印象が強く残ってます。
主人公の友人が良かったです。役名も役者名も覚えてないけど。映画の中でちゃんと大人になっていて、いろんなことを受け止めたり理解する能力がついてきてるなと。


先日『蝉しぐれ』も観たのだけど、この二つの映画、被ってるところ多いですね。幼なじみの二人とか、許されない間柄とか、女性が最後に選択した道とか、。『蝉しぐれ』の主人公は踏み込まずに自分の信じるもののために戦って終わったのだけど、『春の雪』は踏み込んでしまって、追い込んで追い込まれてしまう。それは、三島由紀夫藤沢周平という作家の違いなのか(どちらも読んだことないですけど)、時代の違いなのか。
似たような境遇の二本の映画が、同時期に公開されたというのは、偶然じゃないよなーとか思ったり。私は多分、どちらか一本だけ観てもそんなに深く考えられないだろうなー。両方を比べてはじめて、いろいろと思うところが出てきてます。ここには書けそうにないけど。映画はそろそろ公開終了だと思うのですが、うまいこと二本観るのをオススメします。